慌ただしい毎日の中で、少しだけ立ち止まりたくなることはありませんか。
そんなときに訪れたいのが、大牟田市の「通玄寺」で行われている“写仏”体験です。
静かな本堂の中で、仏さまの姿を一筆一筆なぞっていくと、いつの間にか心が穏やかに整っていく――。
今回は、そんな落ち着いた時間の流れを感じられる「写仏体験」をご紹介します。
通玄寺とは
日本三大禅宗のひとつ、三池立花藩ゆかりの黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院「通玄寺」。
歴史ある建物と静寂に包まれた空間で、心を整える特別な時間が流れていました。
写仏体験
写仏とは、仏さまの姿を静かに写し取っていくこと。
筆をとり、一線一線を丁寧に重ねていくうちに、自然と呼吸が整い、心が落ち着いていきます。
そして、普段は意識することのない仏さまの細かな表情や指先の動きにも、そっと目が向くようになります。
筆と下絵を選ぶところから始まります
まずは筆を選びます。太・中・細の3種類を試し書きし、自分の手になじむ1本を見つけましょう。
続いて、3種類の下絵からひとつを選びます。仏さまの種類や線の細かさによって、所要時間も少しずつ異なります。
今回は、穏やかな表情が印象的な「布袋さま」を選びました。
下絵をなぞって写していきます
うっすらと描かれた下絵をなぞるだけで、少しずつ姿が浮かび上がっていきます。
静寂の中、線をなぞることだけに集中する時間は、驚くほどあっという間。
気づけば20分ほどで、穏やかな表情の布袋さまが完成しました。
印を押し、本堂でご祈祷
完成した仏画には、寺の印が丁寧に押され、本堂にてご祈祷が行われます。
本来は寺院に奉納するのが一般的ですが、通玄寺では、お守り袋(別途料金)に入れて持ち帰ることもできます。
お茶と茶菓子で、心をほぐすひととき
体験の最後には、お寺の方と一緒にお茶とお菓子をいただく時間があります。
体験の感想や仏教のお話、お寺の歴史などを、穏やかな雰囲気の中で気軽に語り合えるひとときが流れます。
まとめ
最初は線が少し震えても、描き進めるうちに自然と筆がなじみ、上達していくのを感じます。
日常から離れ、心をゆるめるこの体験を、ぜひ一度味わってみてください。